パニック障害 (別名 : パニック症候群) とは、ある日突然、めまい、呼吸困難、体のしびれ、といった自律神経の嵐のような症状とともに激しい不安が発作的に起こる病気です。医師の診断を受けても身体的にはどこも異常なところは発見されません。専門医からは不安神経症とかうつ病と診断されることが多く、一般医からは自律神経失調症、心身症、心臓神経症、過呼吸症候群、狭心症、神経過敏症、過敏性大腸炎、と診断されていることが多いという、知名度の低い病気です。 パニック障害には、 ○ パニック発作 ○ 予期不安 ○ 広場恐怖 ○ うつ病の併発 という4つの主な症状が発生します。 (1).パニック発作 パニック発作の症状 ○ 心臓がドキドキする ○ 汗をかく ○ 身体や手足の震え ○ 呼吸が早くなる、息苦しい ○ 息が詰まる ○ 胸の痛みまたは不快感 ○ 吐き気、腹部のいやな感じ ○ めまい、頭が軽くなる、ふらつき ○ 非現実感、自分が自分でない感じ ○ 常軌を逸する、狂うという心配 ○ 死ぬのではないかと恐れる ○ しびれやうずき感 ○ 寒気または、ほてり パニック障害にみられるパニック発作の特徴 パニック発作はある一定の時間に限り激しい恐怖感や不安感とともに上にあげた症状が4つ以上ほぼ同時に突然出現し、10分以内にピ−クに達します。パニック発作はその激しさが最高潮に達した後は30分以内に症状が消え去ってしまいます。 パニック障害のパニック発作は、本人にも周囲の人にも全く理解できないような場所で誘因なく突然はじまるのが特徴です。 (2).予期不安 パニック発作がひとたび起こると、それは生命の危機をひしひしと感じさせるものがあるので、発作に対する恐怖感は計り知れないほど強いのです。予期不安は不意に突然起こることが多いので、またいつあの恐ろしい発作が起こるのではないかと常に心の底に不安感を持ち続けます。 パニック障害では必ず予期不安があります。この予期不安のためにリラックスした気分になれず、行動は知らぬ間に防衛的になり、行動空間が狭められていきます。パニック障害のより現実化行動化した状態が広場恐怖です。 (3).広場恐怖 広場恐怖とは、パニック発作が起こることを恐れ、助けが求められない場所やすぐ逃げ出すことのできない場所にいることを非常に不快に感じたり、またはその様な場所を避ける状態をいいます。パニック発作を起こした患者の約4分の3は多かれ少なかれ広場恐怖を示します。 広場恐怖の対象は、発作をよく起こす場所はもちろん、もしこのような場面で発作が起きたら大変だと想像することによってどんどん広がります。ついには家から一歩も外にでられない人や、常に誰かを身近においておかないとおられない重症例があります。予期不安の症状の強さは次のような3段階に区別されています。 ○ 軽症:外出には多少不安を感じどうしても必要な所だけに行く ○ 中等症:一人で外出できないことが多く、行動が制限されている ○ 重症:ほぼ完全に家に縛られているか、付添いなしで外出できない (4).うつ病の併発 常に予期不安がある状態が続くと、自分の病気以外には周囲のことに全く関心がなくなり、意欲がどんどん減退して行きます。この様な状態は「意気消沈うつ病」と呼ばれています。 パニック障害患者の約半数は、これら「うつ状態」を示します。
[ パニック発作誘発物質 ]
パニック障害にかかっていると、交感神経刺激作用を有する、以下のような物質を摂取した場合、パニック発作を引き起こすことがあります。 カフェイン 炭酸飲料(CO2負荷によるもの) ヨヒンビン コレシストキニン なお、上記に書いてある物質は、パニック発作を引き起こしてしまう代表的な物質です。タバコに含まれるニコチンなども、大量に摂取するとパニック発作を引き起こしてしまいます。 摂取するとストレスを溜めてしまう物質や、ストレスの溜まりやすい行動が、パニック障害を発症させてしまう原因の一つではないかと言われています。
[ 僕の場合・・・ ]
僕の場合、1996年8月頃に最初の発作が起きました。 すぐに病院に行ったのですが、栄養失調と誤診され、その後も、いろいろな病院に行ったのですが、なかなか良い医者に出会えず、起床性神経障害、うつ病、自律神経失調症、と誤った診察をされました。 始めのうちはパニック発作だけで、それ以外の症状は出てこなかったのですが、半年、1年とたつごとに、予期不安、広場恐怖、うつ症状の症状も現れだして、特に広場恐怖がひどくなってしまい、家から、ほとんど外出できないような生活をするようになり、自殺しようかと毎日のように考えた時期もありました。 しかし、1998年に、このホームページを公開し始め、このホームページを見た人や、いろいろな人から励ましのメールなどをいただくようになり、うつ症状は、ほとんどと言っていいほど無くなりました。 1999年に入ってから、やっと良い医者と出会い、パニック障害を治すきっかけが見つかりました。
[ 念のため・・・ ]
パニック障害は、先に書いたように知名度の低い病気です。 人によって、効果のある薬が違うそうなので、多くの知識を得てもらいたいため、パニック障害に効くといわれている薬の種類を書いておきます。 (自分で勝手に薬を入手して飲むのは薦められません。パニック障害について正しい知識を持つ医者に身体を見てもらい、薬を処方してもらってください。) (また、それぞれの薬には複雑な副作用があるので、このページだけを過信するのではなく、自分の飲む薬の副作用を自分で調べるような癖をつけた方がいいと思います。) SSRI(選択的セロトニン再吸収阻害薬) フルボキサミン - デプロメール(錠剤) ルボックス(錠剤) パロキセチン - パキシル(錠剤) 三環系抗うつ薬 塩酸イミプラミン - トフラニール(錠剤) イミドール(錠剤) 塩酸クロミプラミン - アナフラニール(錠剤) 他の抗うつ薬 トラゾドン - デジレル(錠剤) レスリン(錠剤) スルピリド - ドグマチール(錠剤、カプセル) ミラドール(錠剤、カプセル) アビリット(錠剤、カプセル) マプロチリン - ルジオミール(錠剤) ベンゾジアゼピン系抗不安薬(短期作用性) ロラゼパム - ワイパックス(錠剤) アルプラゾラム - コンスタン(錠剤) ソラナックス(錠剤) エチゾラム - デパス(錠剤) ブロマゼパム - レキソタン(錠剤) ベンゾジアゼピン系抗不安薬(中期作用系) クロキサゾラム - セパゾン(錠剤) エナデール(錠剤) クロナゼパム - リボトリール(錠剤) ランドセン(錠剤) フルジアゼパム - エリスパン(錠剤) ベンゾジアゼピン系抗不安薬(長期作用系) フルトプラゼパム - レスタス(錠剤) エチル ロラゼペート - メイラックス(錠剤) B遮断薬 塩酸プロプラノロール - インデラル(錠剤、カプセル) ノルモテンス(錠剤) ヘルツール(錠剤) ピンドロール - カルビスケン(錠剤) 塩酸カルテオロール - ミケラン(錠剤) マロン酸ボピンドロール - サンドノーム(錠剤) ▽SSRIは、現在、パニック障害に最も効果のある薬とされ、パニック障害と診断された場合、まず最初に処方される薬だと思います。パニック障害の症状、全体に効果があります。 ▽三環系抗うつ薬は、パニック発作、広場恐怖、うつ病に効果があります。 ▽ベンゾジアゼピン系抗不安薬は、パニック発作、予期不安に効果があります。 ▽その他の系統の薬は、よく分かりません ( - _ - ; ) 薬の成分や効能など、詳細については おくすり110番・・病院の薬がよくわかるホームページ(http://www.jah.ne.jp/~kako/) をご覧ください。 薬に関することが、大変詳しく書かれています。 |
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